テクニシャン?

まだ梅雨明けを宣言されていない我が地方。私が住んでところでは、それほどの雨は降っていないのですが、この地からさらに北上したところで大雨だったようで、午前中は運休になった電車もあるようです。

スポンサーリンク
Sponsored Links
検索

某求人サイト

応募する、しないに関わらず、チョコチョコ求人サイトを覗くのですが、今日か昨日かに出ていた求人にはつい笑いが・・・。ハイ、メモリーテクニシャンの募集だそうです。

まったく目を通してはいないですが、「メモリーテクニシャン」って聞いただけで、ちょっとそれは勘弁して・・・・と思いました。

いわゆるメモリーを構築していくんでしょうかねー(ちゃんと読めば?って感じですが、英語で書いてあるし(←あ、いえ、翻訳者ですが・・・・))。メモリーオペレーターって言われるのも嫌だけど、メモリーテクニシャンって・・・。

メモリーエンジニアだとまだいいのかな。あ、メモリーを構築するというのではなく、メモリーのプログラミング?というのかな?もっと効率良くメモリーを動作させるには・・・という点で考えるのであればいいのですが(基本的なコーディングスキル要と書いてあるので、仕事内容は「エンジニアリング」の方かもしれませんね、応募記事自体は)。

対訳収集=メモリーテクニシャンであったとしたら、さすがに引いちゃいますね。なんて書いたら、募集をかけた会社からクレーム来ちゃいますかね。怖い、怖い・・・と、好きなこと書いておきながら、よく言うよ・・・という感じですが。

翻訳者にとって重要なのはメモリの構築ではない!

これは、翻訳支援ツールマスター講座でも、よく語っているのですが、「翻訳支援ツール=メモリーがガンガン使えて、ウハウハ状態!」ではないんです。絶対ないんです。

これね、本当に間違えないでくださいね。IT翻訳でも、例えば医薬翻訳でもそうだと思いますが、これだけ翻訳支援ツールが、翻訳会社だけでなく、ソースクライアントに浸透してくれば、メモリーに入っている分は、合計翻訳料金からしょっぴかれるだけなので、決して翻訳者にとってプラスではありません。

あ、対訳を使って勉強することが悪いというっているわけではまったくありませんよ。対訳ベースに勉強する方法はいくらでもあります。その対訳になっているものが完全に正しいとは限らない・・・という点に注意すれば、どのようにでも勉強することはできます。そういう意味で、せっかく勉強しているんだからメモリーに蓄積しようというのは「アリ」です。

例えば、「provide」など、いかようにも訳出できる単語の場合、使用例が色々あると、そのなかから原文を表現するのに合った表現を見つけやすい・・・という点でも使い勝手はあります。

また類似案件などのときも、自分が以前どんな表現をしていたから忘れてしまったとしても、しっかりメモリに構築していればすぐに参照できるので楽です。そういう意味では色々使い勝手はあります。

ただ、翻訳支援ツールでメモリを構築したからといって、それですべてを解決してくれるわけでは決してありません。

ではどんな点が翻訳支援ツールを使う上でメリットなのかというと、翻訳支援ツールはポイントチェッカー代わりになるという点です。翻訳支援ツールに別のものを組み合わせて使うことで、原文と訳文の数値が異なる場合には、「もしもし、違いまっせ」と教えてくれますし、原文が同じであるのに、別の訳文となっている場合には、「ココ、若干違いますけどねー」と教えてくれたりもします。

また、半分がぐらい訳出した後に、やっぱり表現を変えたい・・・と思ったときには、フィルタリング機能を使えば、原文と訳文とを確認しながら変更していくことができます。

手間はかかりますが、こういったフィルタリング機能が使えることは翻訳支援ツールを使うにあたって大きなメリットです。

でも、広告でよく言われるのは「メモリ」の重要性!

翻訳支援ツールを販売する側が、「メモリ」が構築できます!資産が構築されますよ!といった点で強く推しているので、購入を検討している翻訳者も翻訳支援ツール=翻訳メモリと考えてしまいがちなのですが、

上にも書いたように、メモリが当たる部分は翻訳料金が引かれてしまうので、翻訳者にとってメリットにはなりません。
でも、「フィルタリング機能が重要ですから、どうぞお買い上げくださいねー」という広告はあまりないですよね。

翻訳支援ツールと言えば、整合機能があって・・・という話も聞きますが、この整合機能が驚くほど使えない(現時点での話)。そんなに大きく言わない方がいいよ・・・と密かに思っているのですが、ある翻訳支援ツール販売元の無料セミナーを受けたときに、この整合機能はせいぜいA4用紙4枚程度のものにしか使えない・・・・と販売元の企業が言っていましたので、現時点ではそれが最高値なのでしょう。

現在、翻訳メモリがメリットであると感じるのは、クライアントだけでしょう。翻訳会社も翻訳者に対してメモリマッチ分には対価を払わないと同様に、クライアントからもその分の入金はないでしょう。ということは、翻訳メモリの活用により恩恵を受けるのはクライアントですよね。翻訳支援ツールの販売元の目先にあるのは、まだまだクライアントだけなのでしょうね。

それでも、クライアントが指定する限り、翻訳会社は翻訳支援ツールの使用を指定してきますし、翻訳会社から翻訳支援ツールの使用を指示された場合には、ホイホイと応えるのが翻訳者です。

応えなければ、自分のところには仕事が来ない。他の人のところに仕事が回る・・・・だけの話です。それは非情でしょうか?いえいえ、翻訳会社にとってみれば日常でしょう。

メモリテクニシャンを必要とするのはクライアント

結局のところ、メモリによってメリットを得られるのはクライアントであり、本当にメモリテクニシャンを必要とするのも、クライアントなのではないでしょうか。つまりクライアントが社内でそういった課を作り、その課でメモリの調整を行うのが一番ですよね。

翻訳会社が、クライアントの関連会社又は子会社であれば翻訳会社でやってもいいかと思いますが、まったく関連のない翻訳会社に用語管理等を任せるのも本来であれば難しいのではないでしょうか。

クライアントの用語を完璧に理解して使いこなすには、ある程度そのクライアントの付き合いが長くならないと不可能ですよね。そんなときに、クライアントの保証付きのメモリをお預かりして、メモリ内の「訳語検索」をしながら翻訳していくことができれば用語の統一等もはかりやすいかと思います。

翻訳支援ツールの使用が一般化されつつあるとはいえ、まだまだ使う側にとっても、使われる側にとっても課題が多いなと感じます。

翻訳支援ツールを指定する会社が増えてはいますが、この会社は、翻訳支援ツールのメモリも完璧、指示も完璧・・・という会社に出会ったことはありません。、私のおつきあいしている会社自体がまだまだ少ないせいもあるかと思いますが・・・・。

今後も、さらに翻訳支援ツールの機能が増えることはあっても、この翻訳支援ツールに取って代わるものがない限り廃れることはないと思います。

「廃れることはない」・・・。クライアントというか現場は、「せっかち」が加速化していくことは間違いないでしょう。「スロー翻訳」という新たなカテゴリーができないかぎり・・・。

スポンサーリンク
Sponsored Links
検索

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク
Sponsored Links
検索